「ミラーズ・クロッシング」
コーエン映画には大きく分けて、
コメディ路線とハードボイルド路線の2つがあり、
コメディ路線の傑作が「赤ちゃん泥棒」なら
ハードボイルド路線の傑作が
この第3作目のギャングノワール
「ミラーズ・クロッシング」だと言えると思います。
実際、本作こそが最高傑作だと評価されている
向きもあり、好みはどうあれ
その緻密なストーリーとリッチな映像美の完成度は
その評価にふさわしいクオリティを備えていると
思います。
コーエン兄弟唯一の“男”映画ですね。
冒頭、風に吹かれて森を舞い画面奥に
消えてゆく帽子が、本心を決して言わない
主人公レオの心情を表しています。
レオを演じたガブリエル・バーンの
知性ある哀しい瞳が印象的です。
そして何と言ってもゲスなクソ野郎を演じた
ジョン・タトゥーロの熱演が見ものです!
(ホントぶっ殺してやりたくなるほどの
ゲスっぷりです(笑)
この熱演が次作「バートン・フィンク」に
つながっていきます。
そしてアルバート・フィニー演じるボスの
襲撃シーンの笑ってしまうほどの
すさまじさ…!
秋の夜長に観て、しんみりと男萌え(笑)
するような味わい深い大人の男映画だと
思います。
これもまた素晴らしい傑作です!
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